お茶=怪人二十面相!?
2021.05.28(Fri)
日本を代表する推理作家・江戸川乱歩。
その作品に登場する怪人二十面相は変装の天才で、声も見た目も性別さえも変えてしまい、誰にも気づかれることはありません。
そんな怪人二十面相に匹敵するほどの能力を、お茶が持っていることをご存知でしょうか?
今回は、知っているようで知らないお茶の顔についてご紹介していきます。
実は、緑茶・ウーロン茶・紅茶は同じ生葉からできている
タイトルの通り、緑茶・ウーロン茶・紅茶はチャノキ(学名:カメリアシネンシス)というツバキ科の樹の生葉から生まれています。
同じ生葉から作っているのに、色も味も名前すら違う…。
では、その違いはどこから生まれるのでしょうか。
次項では、その違いについてお伝えいたします。
緑茶・ウーロン茶・紅茶の違いは発酵度合い
お茶の生葉には酵素が含まれており、収穫後にその酵素の働きで発酵します。
発酵の進み具合で不発酵茶・半発酵茶・完全発酵茶の3種類に分けられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
・不発酵茶
茶葉を収穫した際に、蒸す・炒る・干すなどの熱を加えて、酵素を不活性化(酵素の働きを止めて、発酵させない)させて作られます。
緑茶はこの不発酵茶の代表で、茶葉が発酵していないため淹れた時のお茶の色は緑色になります。
不発酵茶(緑茶)の種類や、美味しい淹れ方については、別のコラムで解説しています。
良ければ合わせて、お読みください。
・半発酵茶
発酵を途中で止めた茶葉で作られたのが、半発酵茶です。
ウーロン茶が代表ですが、さらに細かく発酵の度合いを変えることで名前や味も変わります。
こちらについては、また別のコラムで詳しく説明させていただきます。
・完全発酵茶
酵素による発酵が完全に進んだ後の茶葉で作るのが、完全発酵茶です。
全発酵茶と呼ばれることもあり、この代表が紅茶です。
日本で作られるお茶のほとんどは緑茶ですが、江戸時代の後期から明治時代には紅茶を生産して、海外へ輸出もしていたようです。
まとめ
普段何気なく飲んでいるお茶ですが、1種類の生葉から、様々なお茶へと変貌を遂げていたことがわかりましたね。
発酵の度合いが変わるだけで、味覚や香り・名前まで変わり、その様はまさに怪人二十面相のようでした。
お茶の繊細さ、奥深さを、より一層楽しんでいただけたら嬉しいです。
静岡茶商工業協同組合が運営している「一茶」では、選りすぐりのお茶をご紹介しています。
ぜひ、お気軽にお立ち寄りください。